遺伝子の体細胞変異解析について
私たちの体は細胞から構成されていて、それぞれの細胞には両親から受け継いだ遺伝子があります。
元は1個の受精卵ですが、それが分裂や分化を繰り返すことで生体を形作っているわけです。
分裂や分化を繰り返しても、基本的に個々の細胞にある遺伝子は分裂前のコピーであり、全く同じものとなっています。
ところがこれはあくまで原則であって、遺伝子のコピーは機械のように完璧に正確とはいかず、たまにミスが生じることがあります。
実はこれらのミスの全てがそのまま残ってしまうわけではなく、多少のミスであればその場で修復する機能が備わっているのですが、状況によっては修復が追い付かなかったりできなかったりすることもあるのです。
このようにして生じた遺伝子の変異が体細胞変異です。
どの遺伝子にどんな変異が起きているのかを知るのが体細胞変異解析となります。
変異の中には実質的には影響のないケースもある一方で、生体機能に何らかの影響を与えるものもあり、解析の対象となるのは後者のほうです。
要するに何らかの病気や疾患を引き起こすような変異が問題となります。
間違えてはいけませんが、全ての病気が遺伝子の変異によるものではありませんし、遺伝子の変異によるものと分かったとしてもそれだけのことで、特別な治療方法がないというか、表に出てくる症状を緩和するものしかないこともあります。
しかし中には遺伝子にピンポイント的に働く治療薬が開発されているものもあり、この場合には解析は非常に有用です。